SSブログ

Spotify 新しいコンテンツ王国の誕生:スベン・カールソン、ヨーナス・レイヨンフーフブッド著 池上明子訳(2020年) [’23年以前の”新旧の価値観”]

創業者「ダニエル・エク」氏が

スポティファイ社を立ち上げ、

10年でレコード会社を違法コピーの嵐から救出、

アップル社に事業モデル変更を迫る

存在となるまでのルポ。

音楽の聴き方、アーティストとリスナーの

関係を根本から変えたと思う。

自分もその一人、

パッケージ(CD・レコード)を

契約してから1枚も買わなくなった。

ituneは楽曲をCDでセット販売という常識を覆し、
バラ売りを可能としたが、この時点でさらに一歩先の
「ストリーミング」を広め、ユーザの好みを予測する新技術を確立。
スウェーデンの小企業がカルチャーにこれほどまで
大きな影響を与えたのは前代未聞である。

Spotifyユーザーがよく聴いているのは、
同社が作成した「プレイリスト」ユーザが好みの曲を
選んでいくとそれを元にラジオ機能に似た様な曲を
集めてリストを作成する。
同社のアルゴリズムと「ヒューマンエディター」は
好みが似通った何百万という人々のデータを解析して
そこに共通項を見つけ出すと瞬時に世界で唯一の
音楽体験を提供する。

技術チームは一流の製品開発を、と、
聴きたい曲を1回でヒットさせてリダルダント(遅れ)なしで
再生できなければと考えた。
とにかく速度が重要で数字にすると0.2秒が鍵を握る。

徐々にサービスやメニューを拡張させ、

賛同者を増やしといった、

いわゆる ベンチャーキャピタルとして

成功していく様だったり

(成功というかいまだに格闘だろうけれど、

「因習」や「世間」や「ニール・ヤング」とかと)

アップルからダウンロードのプラットフォームを

間借りさせてもらえるための

画策計画・実施や、多額の資金繰り成功、

ジョブスの生前最後の プレゼンテーション、

icloudの発表などは、

Spotifyのサービス開発・関係者を

力強く鼓舞しただろう。

スティーブ・ジョブスと”シャドーボクシング”をしてから9年、
ダニエル・エクは伝説の人物に挑むことを恐れていなかった。
「広く知られているように、スティーブ・ジョブズは、
アップルストアにはアップルのコンテンツのみにすることを強く望んでいた」

”シャドーボクシング”とはものすごい強い比喩。

他にも読みどころは沢山あるので

ご興味ある方はご一読ください。

この本の面白いところ内容は

もちろんだけど、演出の一つで、

小見出しに和訳だけでなく

英訳も添えてあるところ。

目次はたまに見かけるが、

本文でこれを展開しているのは

自分はあまり知らない。

それがとても印象的で流れを

遮らない良い効果だった。

(自分はって話だけど)

以下抜粋すると

■小見出しの一部抜粋(順不同)
 ジョブス最後の演説(Cloud Nine)
 マイクロソフトCEO、スポティファイに食指がうごく(Man in black)
 ボブ・ディラン脱退す(The Times They are a-Changing)
 フェイスブック行きのチケット(Ticket to Ride)
 「一瞬で、簡単に、無料で」ーロンドンで人気大爆発(Everbody’s Talking)
 夢破れて(Heatbreaker)

最後に会社・製品の名前の由来、

「Spotify」は 「スポット」と

「アイデンティファイ」の造語とのこと。

余談だけれど、これを読んで

「Unidentified Flying Object」つまり

「UFO」

軍事用語で「未確認飛行物体」を

連想してしまいました。

nice!(7)  コメント(0) 
共通テーマ: