石川淳随筆集:澁澤龍彦編 :平凡社 (2020年) [’23年以前の”新旧の価値観”]
「幸福論」で有名なアランまで
和漢洋、古今聖俗から
引き合いに出され持論を展開、幅広すぎて目が眩む。
今までの単行本未収録の20篇だそう。
80年代後半だったか、サブカルチャー系の雑誌に、
青山だか赤坂の店先で、
一休みされている石川さんの写真が
掲載されていて、生粋のダンディっぷり、
たまさか、モデルのような
佇まいだったのを記憶している。
そして、この書は、澁澤龍彦の解説が
全てを物語る。
この集で、私は石川淳さんのダンディズムを存分に示したいと思った。
ダンディズム、つまり精神のおしゃれであり、当世ふうにいえばカッコよさである。
石川さんの随筆・随想は全て優れているので、
誰が編集してもよかった、 と結んでますが、
いやいや、澁澤さんが編集したことにこそ
価値がありますよ!感謝。
余談だけど、澁澤さんこそ、
古今東西の知識、見識、洞察深く、
三島由紀夫さんから
「博識には手がつけられない。(略)この人がいなかったら、日本はどんなに淋しい国になるだろう。」
とまで言わしめているのは有名な
お話でございます。その三島さんがいなくて、
つまらない国になったと
いうようなことを言ったのは、
石原慎太郎さんでした。
御三方、また石川さんのご冥福をお祈りいたします。