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読書する人だけがたどり着ける場所:斎藤孝著(2019年) [’23年以前の”新旧の価値観”]

読書する人だけがたどり着ける場所 (SB新書)

読書する人だけがたどり着ける場所 (SB新書)

  • 作者: 齋藤 孝
  • 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
  • 発売日: 2019/01/07
  • メディア: Kindle版

齋藤孝先生の書籍は、わかりやすい上に

「今」の時代に即したものに

照らし合わせてらっしゃるので、

とても読みやすい。

その上、知識量も膨大で、

読んでて痛快です。

かつ独自性もあるから、

つい時間を取られてしまう。

こんな先生がいる学校なら

授業を受けてみたいと思う人、

多いのではないだろか。

気になった文章をピックアップと、

名著として選ばれている書籍を以下にご案内。

まえがき」 から抜粋

現代人の集中力が低下していることを示す研究もあります。

2015年にマイクロソフトが発表したところによると、現代人のアテンション・スパン(1つのことに集中できる時間)はたった8秒2000年には12秒だったものが4秒も縮み、今や金魚の9秒より短いと言います。


序章」 から抜粋

AIに仕事を奪われないためには、何を身につけておくべきか、AIにできないことをできるようにしておくためにはどうすればいいのかといった議論も盛んです。

 

しかし私に言わせればそれはナンセンスです。『AIにできないこと』を予測したって簡単に覆るでしょう。

現在の進化のスピードを見ても、普通の人間の想像を遥かに超える変化が起きるはずです。

そこで「AIにできることは学ばなくていい、AIにできないことだけ一生懸命学ぶ」という考えはリスクになりこそすれ、人生を豊かにはしてくれません。

AIに負けないことを目的に据えて生きるなんで本末転倒です。

それこそAIに人生を明け渡してしまったようなものです。AIが出てこようが、出てこなかろうが、「自分の人生をいかに深く生きるか」が重要なのではないでしょうか。

 

人生を深めるために、AIや未来予測についての本を読むのはとても有意義だと思います。

例えば「人間の脳を超えた知性を持つAIがいた場合、人間らしいやりとりをすることは簡単だろう。

それでは何が人間を人間たらしめるのだろうか?自分は人間に何を求めているのだろうか?」などと本を片手に思考を深めていくことで、人生を豊かにしていくことはできるはずです。


ニーチェにもツッコミを」 から抜粋

少し距離を保ちつつ、思考力を働かせて読むには。「ツッコミを入れる」のがおすすめです。

ニーチェの最後の著作「この人を見よ」を読みながら

「なぜわたしはこんなに賢明なのか」「よしなさい!」

「なぜわたしはこんなに良い本を書くのか」「よしなさい!」

「本を読むことーーそれをわたしは悪徳と呼ぶ」「言い過ぎだろ」

などとツッコミを入れる。

偉大な著者には極端な人も多いので、そうやってちょっと引いて笑いながら読むわけです。

そうすれば、全部呑み込まれるのではなくて、自分は自分として考えながら読んでいるということになります。

「ハムレット」にしても、ハムレットの悩みと自分を重ね合わせてしまうと笑えませんが、ちょっと引いて読むと「いや、それちょっと考えすぎだよ」とツッコミを入れられます。

オフィーリアに対して「尼寺へ行け」って「それはないでしょ、ハムレット!」。

笑うのは感情が動いているということです。

笑いながら読むと、その読書体験自体が面白く、心にも残ります。

 

■思考力を高める名著10■

「方法序説」ルネ・デカルト著 山田弘明訳

「論理哲学論考」ヴィトゲンシュタイン著 丘沢静成訳

「五輪書」宮本武蔵著 渡部一郎校注

「風姿花伝」世阿弥著 野上豊一郎・西尾実校訂

「この人を見よ」ニーチェ著 手塚富雄訳

「君主論」ニッコロ・マキアヴェッリ著

「饗宴」プラトン著 久保勉訳

「歴史とは何か」E・H・カー著 清水幾太郎訳

「寝ながら学べる構造主義」内田樹著

「ファスト&スロー」ダニエル・カーネマン著 村井章子訳

 

■現代に必要な知識がもてる名著10■

「E=mc2」デビッド・ボタニス著 伊藤文英・高橋知子・吉田三知世訳

「ソロモンの指輪」コンラート・ローレンツ著 日高敏隆訳

「宇宙は何でできているのか」村山斉著

「日本思想全史」清水正之著

「常用字解「第二版」」白川静著

「アイヌ文化の基礎知識」アイヌ民族博物館監修 児島恭子増補_改訂版監修

「欲望の民主主義」丸山俊一+NHK「欲望の民主主義」制作班著

「資本主義の終焉、その先の世界」榊原英資・水野和夫共著

「人類の未来」ノーム・チョムスキーほか 吉成真由美・インタビュー・編

「ホモ・デウス」ユヴァル・ノア・ハラリ著 柴田裕之訳


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