SSブログ

2冊から原発の是非を問うてみる [新旧の価値観(仕事以上の仕事)]


環境保護運動はどこが間違っているのか (TURTLE BOOKS 7)

環境保護運動はどこが間違っているのか (TURTLE BOOKS 7)

  • 作者: 槌田 敦
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 1992/06/01
  • メディア: 単行本

あとがき 1992年5月 から抜粋


この世の中はまったく嘘だらけである。


私もできることなら「嘘だ、嘘だ」などとは言いたくはない。

だが、嘘と知ってしまったら黙っていられない性分だからしかたがない。


かつて、ナチの宣伝相だったゲッペルスが「嘘を100回繰り返すと真実になる」と言ったとか聞いた。

この話が本当かどうかは知らないが、騙しに乗せて動かす政治の世界をよく表している。

しかし、この表現はすこし違うような気もする。

そこで、もう少し正確に表現すると、「100人の人が同じことを言うと嘘も真実になる」とすればいい。

本当に嘘をついているのは1人でいい。残り99人がその1人の言う嘘に騙され合唱すれば、それが真実になるのである。


取るに足らない嘘なら、騙されるのは馬鹿だと言ってすますこともできる。

しかし、戦争問題、エネルギー問題、環境問題などで、政府の騙され大衆が合唱すると、とんでもないところに連れていかれる。


現段階での嘘の筆頭は原子力である。

約40年前のアイゼンハワー大統領の「平和のための原子力」は実は「軍事利用を維持するための平和利用」であった。

日本の原発関係者はこのことをよく知りながら「日本は被爆国、だからこそ平和利用」と我々の親たちを騙し、また「地球寒冷化」と「石油30年枯渇」で脅かして、「原子力しかない」と大合唱させ、原発を建設したのであった。


最近は、「原発は地球温暖化を救う」との大合唱が演出されている。

これによって、青森六ヶ所村にウラン濃縮工場と再処理工場という軍事施設が建設されている。

また、福井県敦賀に建設された高速増殖炉は高性能原爆用の高純度プルトニウムの製造を目的にしている。


最近は、これらが軍事工場であることを隠すために、科学技術庁はウランとプルトニウムについて一切を秘密にする方針を指示した。

以前から、日本も原爆を持つべきだと主張する人々がいたが、とうとう日本政府も原爆製造を決意したと理解される。

とくに、六ヶ所村に建設されるプルトニウム貯蔵所で何がされても、この科学庁指示で外からは何もわからないことになる。

日本版『アルザマス16』(旧ソ連核兵器製造所)への道がここに始まったと思われる。

さらに自衛隊とこのプルトニウムとの結合が、まず海外からの輸送の護衛という名目で始まろうとしている。


政治権力の思うままに引き回されると、自分だけでなく子孫までも不幸にする。

そのようなことのないようにするには、政府の言う嘘に合唱してはいけない。


槌田先生は柴谷篤弘先生との対談で


興味が湧きこの書を拝読。


この約20年後、東日本大震災での原発事故は


言うに及ばずでございますが


その論考はまた改めるとして、脱原発の


反対側の意見として考えるとすると


吉本隆明先生が真っ先に浮かぶのだけど、


不遜ながらブックオフに売ってしまったため、


かつ詳細は忘れてしまったのでございまして


その前にこの本を昨日読んでたら


興味深いというか、そうなるのか、と


思ったのがあったので引かせてください。



コロナ後の世界 (文春新書 1271)

コロナ後の世界 (文春新書 1271)

  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2020/07/20
  • メディア: 新書

第4章 認知バイアスが感染症対策を遅らせた

スティーブン・ピンカー


AIへの不合理な恐怖から抜粋


新しいエネルギーについては、原発も選択肢の一つです。

原発はみなさんが考えるより安全なエネルギーです。

原発ができてから約60年で、死者は1986年のチェルノブイリ原子力発電所事故での31人だけです。

2011年のフクシマでは原発事故による直接の死者は出ていません


一方、火力発電による大気汚染や、化石燃料の採掘、輸送中の事故で多くの人が死亡しています。

発電1キロワット時あたりの死者数は、原子力を1とすると、石油は243、石炭は387にもなります。

原発についての報道方法が、我々を根拠のない恐怖に陥れているのです。

次世代の原子炉はモジュラー式で小型ですし、冷却システムも改善されて安全です。

AIに対する恐怖も、不合理です。


この後のAIに対する論考になりまして


それはそれで興味深く、巷に流布される


AIにまつわる恐怖や不安については


落ち着いてよく考えれば払拭される的な


いたって至極冷静なものですが、そちらは


一旦割愛し原発についてだけフォーカス。


”フクシマ”の原発事故を


”直接の死者が出ていない”とされているが


それで本当に良いのだろうかという疑問。


チェルノブイリの事故も死者31人だけ、


という認識でそれも本当に良いのだろうか。


それこそ、認知バイアスなのではないか?


って”認知バイアス”のなんたるかを知らないので


ピンカー先生に何もいう資格はないのだけど


ここでまた与えられた新たな研究材料に


悶え苦しみつつ、原発論とは異とする


大量の未読の書たちへの詫び状を


心で作成しつつ夜勤明けでの


朦朧としてきた思考能力であるため


このテーマは改めたいと存じます。


どもすみません。


 


nice!(13) 
共通テーマ: