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ロッキング・オンの時代:橘川幸夫著(2016年) [’23年以前の”新旧の価値観”]

人は社会に出て、最初にどういう職業を
選ぶのかというのは、誰にとってもとても重要な事だと思う。

ロッキング・オンの時代

ロッキング・オンの時代

  • 作者: 橘川幸夫
  • 出版社/メーカー: 晶文社
  • 発売日: 2019/03/08
  • メディア: Kindle版
自分は「デザイン」を選択し生計を立てれて、

今はもうその界隈にいないけれど

その後約30年近くもクリエイティブ関連に

関わって来れたことを幸せに思う。

今の時代は、そんな自分の思いだけでは、

生計を立てにくい社会になっている気がする。

「ぴあ」は、インターネットが登場する以前に、
インターネット状況の未来を感じ取り、雑誌で
インターネットの情報版を実現した。そのことに
よって、出版界に新しい流れを作ったが、先取り
であったため、本物のインターネットの潮流が
始まったら、意味を失った。70年代の多くの
新しい雑誌は、そうやってインターネットの
登場によって、新しさの意味を失ったのだろう。

「ぴあ」という雑誌は本当に

革新的だったし若者の象徴だった。

ライブやイベント情報、アーティストの

インタビューなど もあったけど

「はみ出しコラム」(投稿記事で今のツイッター

みたいな50文字くらいのものが

ほぼ全ページの隅っこに 掲載されていた。


「俺が一番嫌いなもの、せっけんについた

 髪の毛(神奈川県・〇〇君)」 とか


「コーヒー牛乳ってどこら辺が「コーヒー」なのか

 まったくわからない(岐阜県・〇〇さん)」 とか


だけ書かれてるような、他愛もないものなんだけど、

40年たった今でも覚えてるのが怖い)とかよく読んでた。

橘川幸夫さんの本に話を戻すと、

「ロッキング・オン」の 創刊直前

(渋谷陽一さんとの出会い)から、

安定して販売されるまでが描かれてるのだけど、

椎名誠さん達の「本の雑誌」となんとなく印象がかぶる。

年代的にも近いからか。

70年代の若い力、胎動、息吹、なんですかね。

先月亡くなってしまわれた、松村雄策さん、

自分はコロナ禍で大半の本、CD、レコードを

売らざるを 得なかったんだけど、

そんな中でも売らずに大切に持っているものが

いくつかあってそれは、ジョン・レノンの

ラストアルバム 「ミルク&ハニー」のレコードで

松村さんのライナーノーツが影響している。

ビートルズ解散後は、ちっちゃい頃から
影響を受けていた先生が遠くに行ってしまって、
一年に一度づつ素晴らしい手紙を送ってくれる
というような心算で、ソロ・アルバムを聞き続けて
いたのである。ジョンのレコードを一年に一度ずつ
もらい続ける事が、立派に生きる目的になると思っていた。

その最後の手紙の中で、ジョンは
「グロー・オールド・ウィズ・ミー」と
言っているのである。
確かに未完成ではあるけれど、
飾りが何も無いだけに、
よけいに素直に伝わってくるのだ。

この最後の手紙を聞きながら、これから先
僕達がジョンといっしょに年をとっていけない事を
考えると、僕は悲しくてしょうがない。
最後にジョン・レノンと同じ時代に生きられた事を
感謝して、彼の冥福を祈りたい。合掌。
1983年12月9日記

松村さんに対して、これと同じ思いでいる。

余談だけれど「Grow Old With Me」は、

20数年前、 自分たちの結婚式の

BGMでかけた事は忘れ難い。

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