SSブログ

世界でいちばん貧しい大統領からきみへ:くさばよしみ著(2015年) [’23年以前の”新旧の価値観”]


世界でいちばん貧しい大統領からきみへ

世界でいちばん貧しい大統領からきみへ

  • 出版社/メーカー: 汐文社
  • 発売日: 2016/04/01
  • メディア: Kindle版

ウルグアイの元大統領。


(2010年3月1日より2015年2月末)


国連でのスピーチ(2012年)が強烈だった。


政治家は歴史を勉強しないといけないんだ。

人類の重要な文化の誕生や発展は、

片隅の小さなコミュニティで生まれているんだよ。

ギリシャでも、ルネサンスでも、アジアの文明でもね。


それはつまり、きみたちのコミュニティでも

生まれるということだ。

大きな変革は、小さな村から生まれるんだ。

だからこそ、一人ひとりが挑戦することが必要なんだ。

挑戦しないことには、何も成し遂げられない。


いまの政治には哲学がない。

ウルグアイでも世界中のどこでも、それは同じだ。

わたしのいっていることがまったく理解できない政治家もいるんだ。

 

1940年代の政治家が書いた論文を読むと、

いまと比べるといかに進歩的だったことか。

昔は考えさせる政治家がいた。

哲学を持った政治家がいた。


この農園は、出獄したときに買ったんだ。

ここで、ルシアと二人暮らしだよ。

改修しながらまわりの土地を買い足してきたんだ。

すると、地価がどこまで上がるかわかる。

それによって、地主にどれだけ課税するのが正しいか、わかるんだ。

 

大統領がひとにぎりの金持ちと同じ生活をしていたら、

国で何が起こっているかわからなくなる。

ほとんどの国民の生活レベルが上がれば。

わたしの生活レベルも上がるだろう。

それがいいんだ。


人気がほしくてこんなことをいってるんじゃない。

何度も考え抜いたすえの結論なんだ。


人生は短く、あっという間だ。

余計な物を消費するために働いて、

そのために時間が逃げていったとしたら、

それは幸せなんだろうか?

 

働くことは必要だ。

働かない者は、働く人に負担をかけることになるし、

仕事は希望でもある。


でも、いろんな物を買い込んで

支払うために働くことに人生を費やすなんて

どうかしている。

物やお金を貯めるかわりに生きるために時間を使うことだ。

 

わたしがシンプルでいるのは、

そのほうが自由だから。

自由とは、自由のための時間なんだ。


お金を持っていても、時間は容赦なく流れていく。

物のために生きてはならないんだよ。

 

いちばん大切なものは命なんだ。

 

お金で命を買うことはできないんだよ。

命は奇跡なんだ。

奇跡なんだよ、生きていることは。


アイマラの村では、古いやり方が続いている。

年に一度の話し合いで指導者が選ばれるんだ。

これが民主主義なんだよ。

民主主義はとても古く。

常に危機にさらされてきたけれど

人間が本能的に必要とするかたちなんだ。

 

民主主義がすばらしいのは

永遠に未完成で、完璧なものにならないからだ。

そして、平和的な矯正を可能にするからだ。

民主主義は、異なる考えの人を尊重するからね。

これが社会を生きやすくする。

ゆるぎない価値なんだ。


わたしは理想のために闘っているんだよ。

ただし、国民の人生を理想の犠牲にしてはならないんだ。

 

わたしはもっと先のことを考えているんだ。

 

わたしは、自分が持っている何かを

次の世代に残すことが使命だと思っている。

 

人生の最終章は重要だ。

人生を生きると、すばらしい視点が見えてくる。

ものごとの本質がつかめるようになるんだ。


アジアの知恵をもっと学ぶべきなんだ。

アジアでは、年齢を重ねた人を社会の財産にしている。

アジアの人たちには、経験豊かな賢者の話に耳をかたむけ、

新しい世代に知識を引きついでいると思うよ。

 

わたしが若い人たちにどんな財産を残せるかを選べるなら

彼らが本物の人生にもっと多くの時間を

費やせるようにしてあげたいと思う。

 

わたしが後悔していることは

何をしたかではなく、

何をしなかったかだ。

若い人に同じ後悔をさせたくない。


余談だけれど、ムヒカ氏のプロフィール。


この方の言葉の前には


無力ですが、補足程度で。


ウルグアイ在住。1935年5月20日生まれ。

前ウルグアイ大統領。

妻はルシア・トポランスキー上院議員。

趣味は園芸。2013年と2014年に

ノーベル平和賞にノミネートされる。


南米ウルグアイの首都、モンテビデオ近郊の貧しい家庭に生まれ、父が亡くなどの事情により幼い頃からパン屋、花屋などで働く。

10代から政治活動を始め、1960年代初期の当時の独裁政権に反抗する非合法組織トゥパロマスに加わる。

ゲリラ活動による投獄は4度に及び、最後の投獄は13年間に渡った。

1985年、出獄した数日後に行った初の大演説では、許すこと、過去を乗り越えることの重要性を説いた。

その後再び政治活動を始め、1994年には下院議員に選出され、トゥパマロス出身の初の国会議員になる。

1999年、所属政党である人民参加運動(MPP)が最大議席数を獲得する。

2010年から2014年までウルグアイの大統領を務める。


私の紹介やコメントなど


無駄の一言。


素晴らしすぎる元大統領。


nice!(28) 
共通テーマ:

nice! 28