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「消費」をやめる 銭湯経済のすすめ 平川克美著(2014年) [’23年以前の”新旧の価値観”]

「消費」をやめる 銭湯経済のすすめ (シリーズ22世紀を生きる)

「消費」をやめる 銭湯経済のすすめ (シリーズ22世紀を生きる)

  • 作者: 平川克美
  • 出版社/メーカー: ミシマ社
  • 発売日: 2014/06/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
■「経済成長しない社会」が必要

いまの日本に残された解は「経済成長しない社会」を
再設計することしかない、というのがわたしの見解です。
経済成長という指標で物事を測ると、効率の悪いものは
淘汰されていくしかありません。
(中略)そこに辿り着くのは容易ではありません。
2012年6月、ブラジル・リオデジャネイロで開かれた
地球サミットで、ウルグアイのムヒカ大統領の演説が注目を集めました。
「ドイツ人が一世帯で持つ車と同じ数の車をインド人が持てば
この惑星はどうなるでしょうか?」と世界に向けて、素朴に問いかけたのです。
答えは明快です。そうなったら、世界はもう破滅するしかない。

■すべては進歩の帰結である

壊れゆく社会を前に、戦後生まれの団塊の世代の
責任を問う声もあります。けれどもわたしは ー団塊を擁護するつもりはないですがー 
団塊に責任があるとは思っていません。
いまの現象は、歴史の発展の帰結として起こっている事だと思うのです。
しかも、今起きていることは、それぞれが絡み合いながら進行しています。
ひとつは都市化が挙げられます。養老孟司先生の言葉を借りれば
「脳化」ということです。身体的なものを切り捨て、観念だけが
重視される社会になっています。さらには、貨幣が経済活動の中心を
占めるようにもなっています。

■いろいろな人が普通に生きていける世の中に

私が思う「いい世の中」とは、いろいろな人が普通に
生きていける世の中です。与太郎しかり、荷風のような一刻者しかり、
多様でちょっと奇特な人達を受け入れられる懐の深い社会こそが
「いい世の中」だと思うのです。ところが現実は、
そこからどんどん離れる方向に進んでいます。
おカネだけが指標になり、おカネを持たない人を排除する、
そういう世の中になろうとしています。ここで忘れてならないことは、
そういう事態を招く原因をつくっているのは、
ほかならぬわたしたち自身だということです。

そのほか興味深いところとして、

 ■消費を変える「スペンド・シフト」
 ■実質GDPは上がっているのに、
 経済成長率は下がり続けている現実
 ■「東京オリンピック(64)」「オイルショック」
 「バブル崩壊」「リーマンショック」の
 4つの基点が経済成長率の変化(下降)に関連している点
 ■週休2日のインパクト
 ■自由な雇用形態が不自由を生んだ
 ■戦略なんて嘘っぱちだ
 ■マーケティングを戦争戦略と
 結びつけるいかがわしさ
 ■会社は誰のものか
 ■小さく稼いでぐるぐる回す
 ■食べ物があればおカネはいらない
 ■要は飢えなければいい

など興味あるものが満載。

これからの社会は自分のスキルで

生活できるようにしないと、って

当たり前の話ではあるけれど、

つくづく痛感した。

いろんな会社に所属させてもらい

経験してきたので良いのか悪いのか、

この本のエッセンスを 今だからか、

キャッチできて、とても身に

つまされる本だった。

必要なものを必要なだけで、

暮らすことの重要性を再確認した。

「消費」はこの「コロナ禍」によって、

確実に変わったし

変えざるを得なくなった。

それを自分たちの力で良い方向に

持っていかないといけない。


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