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ラジオと本からシンギュラリティを考察 [’23年以前の”新旧の価値観”]

過日、ドーキンスさんの書籍を紹介した時にも出てきた


シンギュラリティ。


カーツワイルさんとは異なる表現で使われたと


エクスキューズあったけれども


その他でも昨今たまに見聞きしていたのと


先日聞いた以下でも養老孟司先生も仰っていた。


 


Tokyo Midtown presents The Lifestyle MUSEUM_vol.591


 


2019年に開催された「虫展」の監修をされた養老先生。


ピーター・バラカンさんのラジオプログラムに


プロモーションで出演された時のもの。


大きく引き伸ばされた虫の写真を見て、


ピータさんが発した疑問から一部抜粋。


■ピーター・バラカン(以下PB)

不思議なのはその辺なんです。

ああいう、引き伸ばしたものを見て神様の存在はあるのかないのか、進化の存在を一度認めると神の存在がなくなってしまうという、この前『ホモ・デウス』という本を読んだんですけど、なるほど、そうなるのか、って今まであんまりそんな風に考えたことがなかったんですが。

僕は、宗教、何教でもなくて、特にこだわりはないんですけれど、神の存在ってあるのか、ないのか、どう思われますか?

 

■養老

あのー、それはですね、多かれ少なかれ、どこの国もそうだと思いますけれど、歳をとると、なんとなく宗教的になってきますね。

あのね、それ私、よくわかるような気がするんです、歳をとると。

てのはね、どんな社会にも、宗教、神みたいなのがない社会っていうのは多分ない。

ていうことは、人の中にあるんですね、そういう、傾向がある。

なにかしらそういう自分を超えた存在を求めるというか、求めるというと強すぎるかもしれませんが、それを感じるという。

それでね、今言われたように近代社会って、はっきりそれを消していくんですね。

一番はっきり敵対して消したのが例えば共産主義ですけど。

そうすると何が起こるかというと共産主義が宗教に変わっちゃう。

だから結局宗教はいるんだろう、って話になっちゃう。

 

■PB

うん、うん。

 

■養老

で、日本はかなり上手にやっていたと思うのは、あの、有名な西行(1118年〜1190年)の歌がありますね。

「何事のおわしますかは知らねども、かたじけなさに涙こぼるる」

あれ、多分、伊勢神宮に行ったときなんだと思いますけど。

何事かにありがたいなと感じるという。

だけど、

「何事のおわしますかは知らねども」

って神様って誰だか知らねえよって言っている訳です。

そんなもの知らんって。

だけど自分の中にそういうものが生まれるんですね。

で、だから、それを理性は否定するんですね。

理性がそれを否定すると何が起こるかというと、奇妙なものが生まれてくる。

つまり、神様か悪魔が生まれてくるんですねえ。

私はそう思うようになりした。

オウム真理教、典型的にそうですけれど。

で、理科系って日本でそういうものを入れるときは、いっさいそういうものを入れてませんから、教育に。

そうするとそれが人間の中にかなり大きなものを占めているとすると、それが出てくるんですねえ。

あの場合は、ほとんど悪魔ですねえ。

そう思って考えてみたら、有名な『ファウストゲーテのモノローグがあるんだけど、あれは世界を隅の果ての果てまで知りたい、知的な好奇心でしょ?

それで、「やらずもがなの神学まで」って言ってるんですよね。

「神学」までって、そう言っているってことは神学なんて馬鹿にしているわけで。

でもまあ、そこまでやったけれど、ってモノローグが終わると、悪魔が出てくるんです。

メフィストフェレスが。

やっぱり、よく言っているなと。この歳になると。

若い時はこれは気がつかないんですよ。

(略)

特に今、AIの時代ですよ。

ああいうものも、あの中(コンピュータ)にいっさい、神様入ってないから(笑)。

あんまりコンピュータ拝んでいる人、見たことないんで(笑)。

 

■PB

(笑)いやあ、これからはどうかわかりませんよ。

 

■養老

そうそうそう、だから、実はシンギュラリティってのは宗教だっていう人がいますね。

つまり、コンピュータが自分で動きだして、自分で改良していくっていう、そういう風な世界を、夢見ている、っていう。

これは、宗教は天国って言ってたのと、近いんじゃないか。

そんなこと、いわゆる理性的に考えると「そんなことある訳ねえだろっ」って考えるのが、平たい、っていうか、普通の考えだと思うんですけど、いや、そんなことない、どんどん進んでってこうなるって。

それは宗教に近いですよね。


興味わいてきて、以下の書籍も読んでみた。


 



図説 シンギュラリティの科学と哲学

図説 シンギュラリティの科学と哲学

  • 作者: 野田ユウキ
  • 出版社/メーカー: 秀和システム
  • 発売日: 2019/02/07
  • メディア: Kindle版

サブタイトルが「AIと技術的特異点の未来予測!」


ってあり、そういう内容になっているけれど


AIにしてもシンギュラリティにしても


すでに始まっていて、どうなるか


(予測という「ふんわりさ」でなく)


という視点の方が自分的には興味がある。


2018年発行、5年前なので状況は


かなり異なると思うけれど。


 


目次前の序章的なところからの


加速するテクノロジーの幸福論


からの抜粋


レイ・カーツワイルはテクノロジーの進化に関する予言をこれまでにいくつも的中させている科学者です。

 

そのカーツワイルが、非常に賢くなって自分で何でもできるようになったAIについてのいくつかの予言をしています。

その中の一つは”シンギュラリティ”についてのものです。

シンギュラリティとは、AIの進化によって機械が人間全体の知性を上回る時点のことです。

シンギュラリティを超えると、AIはもう人間の考えが及ばない、我々には手のつけようのないモノになる可能性があります。

しかし、カーツワイルは楽観的です。

シンギュラリティは人間に、これまでにない素晴らしい進化を与えてくれる。

カーツワイルは、そう考えています。

AIを使えば、仏陀が悩んだ「生」「病」「老」「死」の苦しみから人間を解き放つことさえ可能だと言います。

 

カーツワイルの思い描くシンギュラリティ後の世界では、AIがほかのさまざまな科学を進展させます。

これによって、人間の体は機械の体に置き換えられるようになって、病気や老いから解放されます。

脳はコンピューターと直接、通信できるようになっていて、目を動かすのと同じようにして、ロボットを操作できます。

体内にはナノサイズのロボットが数十万個入っていて、病原体の除去や体の栄養管理などを行なっています。

学校や仕事場に移動することはほとんどなく、仮想空間につくられたスペースで勉強や作業を行うようになっているかもしれません。


カーツワイルが預言した、シンギュラリティ到達の時は2045年


2 収穫加速の法則


The Law of Accelerating Returns


2.4 エポック


6つのエポック 


から抜粋


カーツワイルは、開闢(かいびゃく)から未来に至るまで宇宙の進化を追っています。

それによれば、宇宙の進化はエポック(世代)を経るごとに成長する情報パターンと説明されます。

進化は、その前のエポックで作られた情報処理手法を用い、次なるエポックを生み出すとされます。

カーツワイル流の進化論では、シンギュラリティは、エポック5で始まり、エポック6において宇宙へと広がっていきます。


ベーシックインカムとは少し驚いた。


これからの社会の在り方というか


未来、という括りならば、ありなのか、とか。


 


5 衝撃の未来 The Impact…


5.8 ベーシックインカム


社会不安の防止策


から抜粋


カーツワイルは、シンギュラリティに向かう世界で起きる様々な社会的動揺についても予測しています。

経済的弱者と呼ばれる人々は、十分にITC進化の恩恵に浴することがないのではないか、という批判については同分野の指数関数的な成長によるコストパフォーマンスの低下によって危惧するには当たらないと言っています。

そうはいっても、シンギュラリティによる社会変革は(一時的にせよ)貧富の差を助長する可能性があります。

そうなったとき、すでに複雑化、肥大化している社会保障の効率を改善する試みとして、ベーシックインカムが注目を集めています。


・ベーシックインカムの特性

ベーシックインカムの考え方自体は18世紀末までさかのぼれますが、その実現としては、20世紀後半、地域を限定したベーシックインカムの議論および実験的実地がされるようになりました(アラスカ州のパーマネント・ファウンド、ブラジルのボルサ・ファミリアなど)。

多くは、地域振興や福祉政策、貧困層の救済が目的です。

ベーシックインカムには、次の5つの特性が必要であるとされています。


 1 定期払い

 2 現金支払い

 3 個人ベース

 4 支給要件はなく全員に支給

 5 仕事をする意識に関係しない


ベーシックインカムとは、一時的な補助金や生活保証、手当とは異なります。

子供手当、失業保険、年金などの社会保障を基本的に取り止め、その代わりとして、

「年齢や性別を問わずすべての国民に、無条件で、ある一定の現金を一律(同じ金額)で定期的に付与する」

というのがベーシックインカムなのです。


その歴史は案外古くからあったというのは新発見。 


疑問点として現時点で思うのは


それは実現可能なのだろうか? 何が給付と異なるのだろうか?


また、他国からの流入された方々はどのようになるのだろうか?


5つの特性の詳細を知りたい、


なんて政治家でも活動家でもないのに心配してもしょうがないのだけど。


 


6 キー・インテリジェンス


6.1 考察のためのキーパーソン


Key Intelligence of singularity


《シンギュラリティの鍵を握る頭脳たち》

 レイ・カーツワイル(Raymond Kurzweil)

 I・J・グッド(Iriving John Good)

 ゴードン・ムーア(Gordon E. Moore)

 アラン・チューリング(Alan Mathison Turing)

 マービン・ミンスキー(Marvin Lee Minsky)

 エリック・ドレクスラー(Kim Eric Drexler)

 フォン・ノイマン(John von Neumann)

 ジョン・マッカシー(John McCarthy)

 ユヴァル・ノア・ハラリ(Yuval Noah Harari)

 スティーブン・ホーキング(Stephen William Hawking)

 イリヤ・プリゴジン(Ilya Prigogine)


このシンギュラリティの書籍は


2018年時点での「シンギュラリティ」を


考察するのに重要なファクターが並んでいるようだけど


これから何年かするとまた増減ありそう。


 


さらにキーインテリジェンスとして


挙げられている方たちにも興味あり


日本語版の書籍で入手しやすそうなのがあれば


読んでみたいと思った。


 


余談だけど、ここでも


ダーウィン『種の起源』のことが


出ていて、ダーウィンさんの


無意識かもしれないけれど先見性には驚くなあ、と。


ご本人もこんなに長く論争されると


思ってなかったろうなと


なぜか右足が痛くて引きずり気味に


立ち上がったりすると


子供から「歳だね」と言われてしまった


日曜日でした。


 


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